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遠藤京子のマクロビオティックな鍼灸治療

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2010年 05月 22日

友情と連帯に包まれた街……光州(1)

韓国・光州5・18(オーイルパル)から、30年。

 はじめて韓国・光州(クヮンジュ)へ行ったのは、1992年12月だった。
 その時ですでに、光州の人びとの闘いから、12年を経ていた。
 そして、今年は、30年。パートナーが取材に行くので、私も同行させてもらった。
 
 18年前、光州・朝鮮大学の地下にある学生食堂の壁画に、感動したが、その書き手たちと、ともに酒を飲みキムチを食べることがあろうとは……。しかも、そこにあった「解放アリラン」というとっても感銘を受けたすばらしい版画を、後にその作者からプレゼントされることになろうとは……。

 光州事件から25年「光州の記憶から東アジアの平和へ」と題された展覧会が京都で開催された。その展覧会で、「解放アリラン」に再会したときは、ほんとうに驚いた。
 あの地下食堂にあった版画……。では、もしかして、今、来日しているこの展示作品の作者たちは、あの地下食堂の壁画を描いた人たち……? 来日している作者たちをもてなすために、先に東京から来ていたパートナーに、確認をしてもらったところ、まさに、その人たちだということが判明して、感激! 
 そして、彼は「解放アリラン」の作者、チョン・ジョンホ(全情浩)氏に、私があの作品をとても好きだと伝えてくれた。
 
 夜遅くになって、彼らのホテルの部屋で酒盛りの最中、突然折りたたまれた紙が、私に差し出された。それが、「解放アリラン」だった。
 チマチョゴリをきた女性たちが手をつないで作る陰陽……。
 何とも言えない暖かい、希望に満ちた作品。
 
 その後、一度光州を訪れ、彼らのアトリエを見せてもらったり、酒を飲んだりということがあったが、今回も、また彼らの世話になった。
 韓国語がほとんど出来ない私。コミュニケーションは、英語が出来る彼らの仲間の一人と私のパートナーとのやりとりを、韓国語に通訳するという状態か、片言の韓国語を、これがすごいのだけれども、片言以上に駆使してしまうパートナーのコミュニケーション能力によるものだけれども、私たちは、とても幸福な時間を過ごした。彼らもまた、そうであったと思う。
 
友情と連帯に包まれた街……光州(1)_a0157309_3511584.jpg
▲1992年12月、学生食堂は冬休み中で、イスが壁に沿って積み上げられていた。
 「解放アリラン」は、壁画と別のところに掛けられていたものを、パートナーが撮影した。
 この作者、チョン・ジョンホ氏は、1987年、仲間のイ・サンホ(李相浩)氏とともに、光州民主化闘争を描いた作品が、「国家保安法」に違反するとして、逮捕・拘束されている。そして、ともに闘った二人は、いまも共にあり、その友情はまわりの人びとに暖かさを伝える。
友情と連帯に包まれた街……光州(1)_a0157309_49699.jpg
▲5・18は、あいにく大雨で、とても大変だった。予定のところへ行く途中、全南(チョンナム)大学の学生のデモに遭遇。「李明博退陣!」と書かれた横断幕を掲げていた。
 その李明博大統領は、昨年同様、追悼行事に出席しなかった。韓国が民主化されて、民主化闘争を闘った人びとは、国家の反逆者から名誉回復され、国のために命を捧げた英雄として、追悼行事も国が主催するようになっている。しかし、それは、政権によっていかようにもされてしまうものでもある。今年は、30年前に戒厳軍と闘って亡くなった人びとの遺族のなかから、行事の内容に批判が起こり、抗議行動もあったという。
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▲30年前の抗争の大きな特徴は、光州市民一人一人が、みな自分に出来ることを担うことで、戒厳軍と対峙したということ。お母さんたちは、おむすびや海苔巻きを作って、学生や市民に配った。前夜祭は、抗争の最大の舞台となった市庁舎前の大通で行なわれ、様々な形で当時を再現する人びとがいました。
 通を歩いていて、おにぎりをもらったときは、思わず目頭が熱くなりました。
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▲海苔(きむ)で包まれたおむすびに、色つけっぽい黄色いたくあん……。おいしかったですよ。ご飯にいちばんだいじなものにあふれた、おむすびでした。
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▲国が作った5・18記念公園の隣にある、当時仲間によって葬られた「マンウォルドン」の墓地へのエントランスに作られた光州市民の闘いのレリーフの中には海苔巻き(キンパプ)を配る様子も描かれている。このレリーフも、チョンジョンホ氏たちの手によるもの。

by HomeMacro | 2010-05-22 04:54 | 反戦・平和・自由


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